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momentが注目したカルチャーやイベント情報、コラム等掲載のNEWS MAGAZINEです。

#26 contents

CLIP
:'Oxfam Japan' SONG LINE Vol.1「Yudai Suzuki /"Safe Haven"」
REPORT:05.01.31/「Propeller」(東京/下北沢SHELTER)
CLIP:「ネコネコタイム/Flight Of Idea」
LIVE:05.02.25/「斎藤ネコ・クァルテット」(東京/下北沢アレイホール)
連載コラム:TERA'S SOUNDTRACK REVIEW
連載小説:「タマユラの宵/第一話」 蒼泉 光



 'Oxfam Japan' SONG LINE Vol.1「Yudai Suzuki /"Safe Haven"」


国際NGO団体オックスファム・ジャパンが、
毎月1曲、メッセージソングを取り上げ、配信する「SONG LINE」。
記念すべき第一弾、「SONG LINE vol.1」は、鈴木雄大の「Safe Haven」。
その映像クリップを、いち早く、特別配信致します!

詳しい楽曲についてのインフォメーション、及び「SONG LINE」については、
オックスファム・ジャパン HP(http://www.oxfam.jp/)まで。


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(BB環境のある場所にて、お楽しみ下さい)


 05.01.31/「Propeller」(東京/下北沢SHELTER)

3月21日に待望のNew Maxi Single「YESとNO」がリリースされるプロペラ。
ジャケット/ブックのイラスト及びアートディレクションを手掛けたのはプロペラの親友であり、momentも馴染みの深い画家の門秀彦さん。
プロペラのエネルギーがぎゅっと詰まった感動の3曲と門さんのイラストと、
視聴覚、ダブルで楽しめる作品です。
そしてリリースに先駆け、強力なタッグはLIVEでも実現しました。
1月31日のプロペラワンマンは門さんがLIVE PAINTINGで参加。

リハーサルから開演前にかけてプロペラと会場にいるお客さんをモチーフに
次々と門さんの温かい絵が誕生していきました。
間近にいるお客さんは絵が完成されていく過程を興味深く眺めたり、
次々と携帯電話で写真を撮っていました。
会場が暗くなりプロペラが登場して音が弾きだされると今までの和やかさに加えて
賑やかなロックンロールパーティーの熱気が超満員のSHELTERに満ちていきました。

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毎回ドラマチックなライブを見せてくれるプロペラ。
今回もお客さん一人一人の感じ方でパーティーを楽しみ、感動を持って会場から家路に着いたのではないでしょうか。そんな感動を味わいたい、または味をしめてもう一度!!という方へNew Maxi Single「YESとNO」発売を記念して春のツアーが決定しました。



<ライブ情報>
3/20(日)仙台 PARK SQUARE
3/25(金)宇都宮 VOGUE
3/26(土)水戸 LIGHT HOUSE
4/ 1(金)名古屋 SONSET STRIP
4/ 2(土)京都 磔磔
4/ 3(日)岡山 DESPERADO
4/10(日)東京・下北沢 CLUB QUE(ツア−ファイナルワンマン)



 「ネコネコタイム/Flight Of Idea」


先日、New Album「TALK HARD」をリリースしたばかりの、Flight Of Idea。
その中から、momentにて製作された、PV「ネコネコタイム」をお送り致します!
じっくりとお楽しみください!

詳しいインフォメーションは、
「Flight Of Idea」 Official HP(http://www.travelinword.com/)





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 05.02.25/「斎藤ネコ・クァルテット」(東京/下北沢アレイホール)


日時:2月25日(金)
会場:下北沢アレイホール(東京都世田谷区北沢2-24-8 アレイビル3F 電話03-3468-1086)
出演:斎藤ネコ・クァルテット
    斎藤ネコ[ヴァイオリン]、グレート栄田[ヴァイオリン]、山田雄司[ヴィオラ]、藤森亮一 [チェロ]
時間:開場19:00 開演19:30
料金:4300円(終演後ワイン&フーズ・パーティー代含む)
お問合せ:ビグトリィ 電話03-3419-6261

詳しいインフォメーションは 、
「斎藤ネコ」 Official HP(http://www2s.biglobe.ne.jp/~neko22/)

 


連載  from TERA

TERA's Soundtrack Review このコーナーでは毎月1枚、映画のサントラを作品と共に紹介します。


#26
『THE GREAT ESCAPE / 邦題:大脱走』

音楽:エルマー・バースティン/ELMER BERSTEIN
1963年/米/ジョン・スタージェス監督作品。2時間48分。
スティーヴ・マックィーン、ジェームズ・ガーナー、
リチャード・アッテンボロー主演。
ジェームズ・ドナルド、チャールズ・ブロンソン、ジェームズ・コバーン、
ドナルド・プレゼンス他。


映画については、あらためてここで言うまでもなく、映画史に残る名作のひとつ。

描き方は違うが、『サウンド・オブ・ミュージック』と同様のメッセージ性を持つ反戦映画、
『大脱走』の究極盤となるだろうサントラが昨年リリースされた。
なかなか聴く時間もないまま、昨日、封を開け聴いて。これが凄い!あれもこれも入っている。
ちょっとした場面のあの音、この音!とても興奮してサントラを聴いたのは久しぶりの事だ。

豪華2枚組のコレクターズリミテッドバージョン、3000枚限定のこの輸入盤、中のスリーブの表紙をめくると、
まず、巨匠エルマー・バースティンの写真。合掌。あとは、映画の名シーンの数々が掲載されている。
改めて珍しいスティールはないが、CDの裏の部分のマックィーンの写真が良い。トンネルの出口で最後の穴をあけるシーン。
残念なのは、CDの盤面デザイン。えっ?これでいいの?という感じなのだが、
「VARESE SARABANDE」レーベル限定シリーズお決まりのデザインだからしようがない。

裏ジャケにレコーディングの日付が「january 14,15,28,29 &February 11.1963」とある。
アメリカ公開の半年以内に録音された事になる。割とぎりぎりの感じもする。内容的に聴きながら感じたのは、
以前の通常盤にセレクトされていた楽曲は、正しかったという事で、特に後半の「THE CHASE」というタイトルの楽曲は一番で、
映画の後半、脱走した皆が各々の結末を迎えてゆく流れを1曲に集約している。バイクで、電車で、飛行機で、自転車で。
その音が実に上手く表現されている。

自分が映画少年の道を辿るキッカケになった映画なので、当時、そこらじゅうの名画座で観た数々の想い出が残っている。
中で何とも唖然とした事件?があった。マックィーンの有名なバイクジャンプシーン。そろそろ飛ぶぞ!と緊張の面持ちで
画面に釘付けになっていた瞬間だった。ジャンプする肝心の部分のフィルムが、バッサリと切り取られていたのである。
この日、初めて『大脱走』を観る人の気持ちになると、とても残念だった。
確か、浅草の「東京クラブ」か、渋谷の「全線座」だったと思う。
初めて『大脱走』を観たのは、池袋の「テアトルダイヤ」だった。

数年前、リリースされた40周年記念版のDVDには、いろんな映像特典がついている。
イギリス盤では、テーマ曲として起用していたサッカーチームのCMも収録されていた。
補足だが、田口トモロヲとみうらじゅんによるブロンソンズの「大脱走マーチ」もかっこよい。
もうひとつ補足だが、撮影(シューティング)タイトルは、「The Last Escape」であった。



連載  from 蒼泉 光

連載小説:「タマユラの宵/第一話/贈り物 "Present"」 蒼泉 光


「眩し過ぎる空に投げ出された、私は生ける屍。拾い集めし夢の残骸。
タマユラの宵を纏い、貴方亡きこの世界を彷徨う。A.M」

<タマユラの宵/序章/モノローグ "monolog">

 
  今まで何人もの人が、
 「好きだ」とか、「愛してる」とか、言って。
 私はその度に、「何を?」って思った。

 だったら、「私のために死ねる?」

 張り裂けそうな心で、そればかり叫んでた。
 愛されたいのに、愛されたくない。
 「愛したい」なんて、1mmも思えなかった。

 そうしている内に、その問い掛けをする事にさえ、
疲れてしまったんだ。
 瞼をキツく閉じて、躰と躰が重なる事に、意味を見ない
ようにしたの



AM3:00 ━━

昼間の喧騒が一時の幻だったのではないか?と錯覚してしまうような夜。
私はいつものようにこの箱を抱え、2月の夜の風に一人さらされながら、
車道の真中に立ち尽くしている。全てのものが闇に吸い込まれてしまった。
白いものも黒いものも、汚れたものも、触れたいものも、異臭も、香りも、騒音も、
声も、大切なものも、すべて・・・。

寒ささえ少しずつ感じなくなってくる。・・・温めなくちゃ・・・。
 体・・・?心・・・?・・痛いよ・・・。温めたらどうにかなるの・・・?
 このまま凍りついて結晶になってしまったら、あなたは笑ってくれるかな?


 <タマユラの宵/第一話/贈り物 "Present">

今日、アルバイト先のプラネタリウムで鳳凰座の頭を消してしまった。お客さんたちのどよめきで我に返った。何故、あんな事してしまったんだろう・・・。あまりにもいろんな事が一気に身に降りかかって来て、もう。何が何だかわからない。私の中は、ただ、透のことだけでいっぱいだ。この小さな呼吸さえ、彼の為にしているのに。

日記は17才の頃から書く習慣がついた。毎日というわけではないけれど、何か心に響くことや、忘れたくないことがあった時、自分の心のメモとして時折ほんの数行書き留める。とにかく感情の赴くままにペンを走らせるのだけど、そのほぼ90%は「彼」で占められている。透。5歳年上の私の彼。現に今書いたばかりの文章も「彼」以外の何物でもない。昨日、彼が突然切り出した話は本当だったのだろうか。私が散々、彼を罵倒してわめき散らし、弟に止められて朝まで泣きはらしたのは、全て事実なのだろうか。あまりにも唐突で予想外の話だったから、自分の中で現実としての実感が無い。彼とは、透とは、ずっと一緒にいられるはずなのだから・・・。

そんな事が頭の中を延々と駆け巡り、浮かんでは消えてゆく記憶に翻弄され、薄暗い部屋でひざを抱えたまま、無意識に私は泣いていた。

「姉ちゃん。ぼくが、ほら、これあげるから。泣かないで・・・。」

閉め忘れた部屋のドアの隙間から投げられた言葉を、私は背中で受け止めた。
弟の涼は、いつからそこに立っていたのだろう。いつから私を見ていたのだろう。
(ありがとう・・・でも今は何も欲しくないんだよ。ごめんね。)
決して空間の空気を壊すことのない気遣いに溢れた弟の声は、かろうじて私に届いたけれど、喉が詰まって言葉が出ない。

「・・りがと・・・。」
「これ、置いておくね。風邪、引くよ。」

ゴトンと鈍い音をさせて、弟は大きなケーキ箱のようなものをテーブルに置いた。そしてゆっくりと私に近づくと、後ろからそっと私の背中に真っ赤なショールを掛け、そのまま肩を抱いた。弟にそんな風にされたのは初めてだったので、私は少し驚いた。だけど、それはいつまでもそうしていたいほど、不思議なくらい温かかった。

「・・・大丈夫だよ。元気出して。」

弟の声が右耳から心臓に流れ込む。今にも破裂しそうな私の神経は、嵐の後の海のように、束の間の静寂に包まれる。1分ほどそうしていただろうか。私から腕を離して、少しずつ遠ざかってゆく弟を私は背中で見送った。カチャと静かにしまったドアの音が妙に耳に残った。

━━もし、あの時、振り返っていれば、今も君の笑顔がそばにあったのかな?━━

私は、しばらく呆然とテーブルの上に置かれたプレゼントの箱を見ていた。全ての欲は自分の中から消え失せていて、食欲もなければ睡眠欲もない。まして、プレゼントの中身を知りたいなどという好奇心は沸くはずもなかった。

<タマユラの宵/第一話/贈り物 "present">完。


次回<タマユラの宵/第二話/秋の公園 "A park in fall">   
                                               →第二話へ