古田たかし×井上富雄


現在「Cajun Moon Band」等にて活躍中のお二人。今年の活動を振り返って、また来年に向けての抱負等。
どんな話が飛び出すか?合併号特別対談です。

(2004年12月03日/世田谷momentにて/インタビュアー:TERA@moment)

 

 特別対談/古田たかし×井上富雄


TERA(以下:T):宜しくお願いします!はじめに、2004年を振り返ってですが。

井上富雄(以下:I):何、あったっけ?

古田たかし(以下:F):2004年「cajun moon band」結成!

I:結成ですね。

F:デビューライブを。

I:6月に。でもあれですよ、2003年やったでしょ。

T:そうですね。2003年暮れに。

I:2003年初めてこのメンバーでやって、DVDになって、次、何でやったかというと。しーたかさんが、3月を過ぎたらお酒が飲めると言ってたんで。

F:じゃあ、4月のこのメンバーで「1回ライブやりましょうよ」とか言ってて。

I:それを先にスケジュールをとってやってたら、だんだんバンドにしちゃおうみたいな話で。

F:そんな感じだわ。


T:3月の「moment jam session #2」の時はまだ。

I:バンド名なかったですもんね、一応ね。

F:仮の「cajun moon band」だったですよね、まだ。

T:でもあの時、純の「cajun moon band」で、種さんやパフィーを迎えて。

I:ありましたね。

T:あの時は大変でした。

I:はい、はい。

T:それで「cajun moon night」のvol.4で。

I:vol.4が4月。そうですね。

F:ですね。解禁とかって(笑)。

T:最初の1杯はどういう感じだったんですか?

F:最初はね、実はうちでちびっとやってみました。やっぱ、いきなりみんなとイエーイって飲んで調子に乗っちゃって倒れるとやばいなと思ったので。ちびっと飲んで。これなら大丈夫って。(笑)

I:旨い!と思ったの?

F:うまいと思った。

I:1年ですからね。その前までほとんど毎日と言っていいほど飲んでる感じでしたよね。それを1年たってたんだから、すごいですよね。

T:で、6月21日、南青山マンダラでデビューライブ。その2カ月間に何があったんですか?

I:(笑)

T:何かこう、言い出しっぺというか。

F:あれだよね、4月のやつが終わって,打ち上げをやりましょうみたいな。トミーの家でやったんですよ。

I:その時に、バンドにしてこれからやっていこうみたいな、そういう話になって。それが4月中旬とかそれぐらいだったんだよね、多分。

T:バンド名の話って、みんなで?

I:特にはなかったけども、何かもう「cajun moon band」でいいじゃんみたいな流れで。

F:そうそう。

I:まあね、あんまり意味あってつけても縛られそうだし、逆にcajun moonって、何かよくわけわからないところでいいかなって。

T:今まで「cajun moon night」でそれぞれの曲をやってて、バンドになった時に、それぞれの曲をどうするかとか、そういう話って?

I:逆にそれまでは、僕としーたかさんだけでやってたので、一応、始まりは2人で曲を持ち寄ってやりませんみたいなところから始まったので。逆にバンドになってから、今度みんなの意見とか、そういうみんなの曲を取り入れるようになってきたというか。

T:デビューライブでキーボードが。

I:はい。藤本純一。

T:人選はどういう感じで?

F:それも、そのトミーの家のホームパーティーで、たまたまフーミンが、柳沢二三男が、近くのコンビニに行ったら、藤本純一が買い物にふらっときたと。

I:うちの近所だった。

F:これからパーティーだよって話をしたら、「行っていいっすか?」っていう事になって。で、来たんだよね。その時に、これは何かの縁だとか言って。

I:すごい偶然だよね。

F:すごい偶然。だから、「一緒にやる?」とか言ったら「いいんすか」って。「やらせてくれるんですか」みたいになって、じゃあやろうよって。

I:必然的に、もう。

F:6人編成になって。

T:デビューライブで、(柳沢)二三男さんと尾上(賢)さんの曲もふえて。みんなで歌っていくみたいな感じですか?

I:そうですね。何か特に決める事を作らない方が面白いかなっていう。ばらばらなのはよくわかるんだけど、それはそれぞれの曲だし、それぞれが歌うから、ばらばらになるとは思うんですけど、そのばらばらさがこのバンドっぽいかなっていう感じが。

F:ばらばらの曲をやっても、このメンバーでやると、何か一つの色になってるなっていう思いがすごいあるので、そんなに意識して、アメリカ南部っぽい曲やろうよっていうんじゃなく、今のまんまの感じで、だんだん自然淘汰していく、この曲残してとか,そういう感じでなっていけばいいかなぐらいの感じですね。

T:夏、8月に「しーたか祭り」。9月に「原宿Blue Jay Way」でライブと。何か変わってきた部分はありますか、その2つのライブから。

I:そうですね。おのずとまとまりはよくなるというか。

F:回数が増えるごとに、やっぱり。

I:あと、メンバーが積極的にバンドに参加してきて来れてるかなっていう感じが。最初は2人でやってたところが強かったんで。今はでもみんないろいろ意見も言うし。やっぱり回を重ねてどんどんバンドっぽくなってきて。

T:それぞれのお話に移りたいんですけれども、「cajun moon band」以外の活動で、2004年。まずトミーさんは、ソロもありますよね。

I:そうですね。「cajun moon band」みたいに母体ができたというか、バンドを作っちゃったっていうか、あるので、何か「ソロ」と言えるじゃないですか。何にもなくて「ソロ」って、つまらないというか。

F:確かに。

I:母体がないのにソロって言ってて、何のソロだみたいな話で。何かそういう意味もあって、すごいプライベートな音楽をやれる機会が逆に出来たというか。本当は、バンドとかで全部やれれば楽しいのもあると思うんですけど、そんなにしょっちゅうできるものでもないし、あと誰もが幅広く、自分の音楽的な好きなものって持ってると思うんですけど、それをあれやこれや、一つのバンドでやるのって大変じゃないですか。そういう意味では「cajun moon band」っていうのが出来た事によって、そういう事と違う、絶対バンドではやれない曲とかってやっぱり絶対出てくるんですけど。そういうのをやる機会ができたと。

T:前半戦というか、2004年前半戦でいうと、しーたかさんは、パフィーと奥田民生ツアーがあって、その辺はどんな感じだったんですか。

F:そこら辺は、もう、わーっとパズルの様に間に入ってくるスケジュールで大変だったんですけどね、でもまあ、楽しくできましたね。

T:今年、奥田さんが。

F:10周年なんで、その時のツアーが「OT10」っていう10周年のバンドバージョンのツアーですよね。その後、広島市民球場で一人で。

T:どうだったんですか?

F:あれ見に行ったんですけど、すごかったですね。大した男だと思いましたよ。ほんとに、一人で、何万人、3、4万人のお客さんをずっと引きつけてられるっていう。特に「いえーい」とかいう感じも、一体感を作るみたいな感じもなく、ただ曲を淡々とやり続ける事で、2時間半ぐらいやり切るっていうのはすごいなと思いましたね。最後はわーって、みんな感動してるんですからね。僕らはもう、曲全部知ってる訳だから、コーラスとか一緒に歌っちゃったり、ギターのリフうたっちゃったりとかしちゃうような感じで、すごい盛り上がりましたね。

T:トミーさんに移るんですけど、夏に再結成した、

I:ルースターズ、とかいろいろありましたね。

T:どうだったんですか?

I:そうですね。ほんとにすごいイベントだったというか、フジロックのグリーンステージで、何万人いるのか知らないけど、すごい場所で、それももうやるはずでもなかったバンドがまた、一応1日限りとはいえ再結成してやったというのは。だから、それの辺は、ほとんどあの5、6、7ぐらいは、ずっとルースターズ一色でしたね。周りの見方もそうだったし、それに関連したいろんな動きみたいなのもあったし。

T:久しぶりに集まって音を出した時って、どんな感じだったんですか?

I:もう全然問題ないっていうか、すごいかっこよかったですね。実際、大江っていうリーダー以外は、今でもずっとみんなやってますしね。一緒にもやってますし。そういう意味では、特別に違和感とかは何もないから。うん。その事に関しては、一言ふた言では逆に言えない事で。

F:そうだよね。

T:その頃、しーたかさんは「chokobabyz」というバンドを。7月21日リリースで。これは?

F:まあ、だから、ソラミミストの安斎肇さんと、音楽ライターの佐川秀文さんの2人が、もう何年も前から2人でやってたんですよね、チョコベビーズというものを。ライブやったり、何か自主制作のCDつくったりしてたらしいんですけど。たまたま僕のところに安斎さんから、ちょっとこれ何とかなるかなみたいな感じで持ってきて聞かされて、おもしろいじゃんと思って、「これをやりましょう」とかって、軽く二つ返事をしちゃったら、あのざまですよ。(笑)もう、ほんとに、すごい。変わったものを作ってしまいました。

T:「chokobabyz」の活動は、今後も?

F:本人たち次第ですけどね。僕はどうするっていう決定権は多分ないので、本人たちがやるって言えばやるんじゃないですかね。一応、ドアマチュアバンドって感じでやらせてもらってるんだけど。なかなか超素人感は。

I:そこがすごいよね。

F:ないっすよね。

I:でも音楽は知ってる人達じゃないですか。何か、その感じがね。

F:何か不思議なね。まあ、初期衝動のみでやってるみたんな感じですかね。

T:秋以降、お二人は「THE HOBO KING BAND」ですね。

F:そうですね。久々に。

T:どんな感じで始まったんですか?今回のツアーは。

I:4年ぶりのアルバム、佐野さんが出したし、それも長年いたソニーを離れて、自主レーベルみたいなところから。そういう動きもいろいろ含めて。何か周りの体制とかもがらっと変わったし。逆にすごい新鮮にやれるっていうか。スタッフもほとんど変わって。

F:佐野君が、またすっごいやる気なんですよね。かけてるっていうか。そう感じるので、僕らもやっぱり盛り上がるよね。

T:バンド編成で変わったところはあるんですか?

I:バンド自体は同じですね。ずっとここ何年か。

F:サックスが。山本拓夫君が、今年いっぱい出来なくて,代役で。

I:ボストン出身の。

F:ボブザングさんっていう。

T:どういう方なんですか?

I:もともとはボストンでバークリーの講師もやってたとかっていう。10年ぐらい前って言ったっけ、日本に来たのが。レコーディングからいろいろ活動してるみたいですよ、幅広く。

T:じゃあ、日本語は。

I:もうぺらぺら。どんな漢字書きます、それって聞かれるぐらいですからね。(笑)

F:すごい漢字もよく知ってるね。

T:へえ。(笑)ライブの構成は?

F:構成は1部2部制になってて、1部がクラシック。佐野君の今までの曲。2部が新しい「THE SUN」からの曲をやってますね。

I:それももう、「THE SUN」もほぼアルバムに近い曲順。もちろん、省いた曲はあるけど、割と構成的にはアルバムの流れに沿って。

T:音も割と?

I:ほぼアルバムと同じような。

F:コピーしてくるようにって言われたりね 。

I:自分がやった事を。

F:自分のやった事をコピーしてくるように。(笑)

I:そのぐらい、かなり完璧なつくりになってますね。

T:全体通して見ると、2004年は「cajun moon band」が柱にあって。

I:柱とあるほど活動はしてませんが。(笑)よく僕らぐらいの年で、そこそこ経験のあって、何かバンドやってるとかっていうと、割とみんな「遊びでやってるんだろう」っていう見方をすると思うし,そういう部分も確かにあるんですけど、僕ら自身も楽しいからやってるって遊びっぽい感覚がもちろんあったから、やってるんですけど。ただ、それで1回2回で終わってしまうと、ちょっとつまらないので、出来るだけ、無理にでも今のところ2、3か月に1回はライブを組んでいこうと思っていて。でもさっきも言ってたけど、それってちょこっとずつでも続けてると、何か形になっていく事はあると思うし、何か、まあ、一応4曲入りのCDもつくったので。

T:その4曲入りのCDの話なんですけれども、内容的にどんな感じになってるんですか?

I:ほとんどライブでやってるまんまを「せいの!」で、ほぼ、一発取りっていうスタイルで作ったんですけど。まあ、歌は。歌だけちょっと、そんなにみなさんお上手ではないので,すいませんけども取り直させてくださいみたいな感じだったんですけど。

T:曲目は?

I:「地上の楽園」。「君を試しただけさ」。「世田谷DAYS OF SWEET」。これは尾上君の曲ですね。で、「どしゃぶり」っていう、僕の曲が2曲と、しーたかさんと、尾上ちゃんの曲。今のところ4曲そんな感じ。

T:レコーディングはどういう感じで進めていったのですか?

I:ほんとに、いつもリハーサルをやらせてもらってる、オレンジカラーっていう柳沢とか、藤本が所属してる会社のスタジオがあるんですよ。そこで1日だけ使わせてもらって。ほとんどリズムはそこで全部取り終えて。後日しーたかさんのところのスタジオで歌とか、ちょっとしたバイオリンの。ネコさんがちょっと参加できなかった曲があったので、ダビングをして。またさらに、後日そのエンジニアをやってもらってる、箕輪くんっていうファクトリーエムっていうスタジオで、また歌をちょっと取り残した歌と、あとミックスとっていう、もう計3日とか4日とかっていう作業ですね。

T:セレクトはみんなでやったんですか。

I:そうですね。みんなで決めて。

F:そうですね。

T:来年もそういう形にするものっていうのは、少しずつ。

F:やろうって言ってたけど。

I:このぐらいでいけるんだったら、もっとやりたいなとは思いましたけどね。

F:で、どんどんふやしていけばね、またどんどん見えてくるんじゃないかと。向かうべき姿が。

I:でも焦る事は何もないんで。

T:ですよね。

F:別に締め切りがあるわけでもないし。(笑)

I:そうそう。ただ、あんまりね、だらだら、ほんとにあんまり趣味っぽくやってるなと思われるのも、ちょっと癪に障るところがあるので、ちょっとは本気だよっていう意味も含めてCDをつくってみたんだけど。本気っていうのもおかしいけど。

T:そうですよね。ジャケットとか?

I:は、ちょっと知り合いのデザイナーに頼んで。まさにタイムリーで、明日、出来上がるんですけど。

T:じゃあ、明日(12/4)のライブで。

I:クロコダイルの会場でやっと。

F:リリース。

I:まだディストリビュートとかそういうのも、何もあれしてないんで、ほんとに店舗には回らないという、今のところは。

F:会場で売るか通販か。

T:来年も「cajun moon band」続きますよね。

I:というつもりですけど。

T:それぞれの動きで、来年はどんな感じで予定されてるんですか?

I:僕は全くまだ。そういう意味では未定というか、何も。

F:佐野君のツアーは前半は。そのあと大決定じゃないけど、パフィーの何か。この間もアメリカ行ってきたので。

I:すごいよね。アメリカのアニメキャラクターになったんだよね。

F:流れてて、11月から流れ出したらしいんですけど。

T:パフィーの?

F:パフィーのアニメ。そういうのもあって、アメリカですごいそれが人気高しらしくて。まただから、3、4、5ぐらいのその辺で、ちょっと行ってこようかっていう話が。あと日本国内もやろうかって。

T:そのアニメはテレビですか?

F:ケーブルテレビで。カートゥーンネットワークで。その週のアニメ部門で第一位だったらしいですよ。11月中旬ぐらいの。すごいなと思って。

T:じゃあ、しーたかさんの好きな分野ですよね。

F:そうですね。ね。

T:アメコミフィギュアな。

F:マネージャーの原田さんって、実はそのアニメに出てて、もうカズとか言われて。だからきっと、何かキャラクターの人形とかつくられた時に、カズも出来るんだろうなと思って、いいなと思って。(笑)バンドはつかないのかなって。バンドマンのキャラクター人形も出ればいいのにって。(笑)

T:(笑)それは楽しみですね。2005年前半は「THE HOBO KING BAND」があって、「cajun moon band」もやって。

F:やる予定ですね。

I:まだ決まってないですけど、ちょっと。季節労働者じゃないけど、3か月に1回か2か月に1回はライブをやっていこうと思ってます。

T:話は全然変わるんですけど、お正月って、お二人はいつも何か決まってる事ってあるんですか?

I:僕は必ず帰省しますね。九州の実家に。

T:お参り行くとか。

I:初詣とか行きますけど、普通に。それが特にメインというわけでもないし、正月ぐらいは実家に帰ろうかなというぐらいで。

T:しーたかさんは?

F:僕は、今住んでるところがうちの両親もうちのかみさんの両親も一緒に住んでるので、帰省とかそういうのはないんですけど。まあ、なるべくうちにいようとしてて、で、浅草に必ずお参りに行ったりとかはしてるかな。

T:最後に。来年、やりたい事って他に何か?

I:来年やりたい事ですか。ほんと、それは「cajun moon band」がもっと活動出来るような状況になったら楽しいだろうし、普通に仕事っていうのも変だけど、それがちゃんとしたものになると、それはそれですばらしい事だと思いますし。ちゃんとしたものっていうのも変だけど。音楽的には全然問題ないじゃないですか。普通に楽しく音楽をやったりという時点ではやれてるけど、プラス一応みんなプロのミュージシャンなのでね、もっとうまく動いていけば、事が運べば、それはそれでメンバーも。

F:例えば「cajun moon band」で、

I:ツアーとかできちゃったら楽しいなみたいな。

F:ことはありますね。

I:単純にCDが売れて、ツアーができてとかっていう、そういうことが普通になれば、それはそれでいいことだと思います。はい。

F:はい。

T:2005年、楽しみですね。本日はありがとうございました!

-end-


「cajun moon band」のインフォメーションは、
「cajun moon band/HP」(http://www.cmbweb.jp/)まで。
井上富雄さんのインフォメーションは、
「井上富雄オフィシャルHP」(http://www.tomioweb.com/)まで。
また、2005年も続く「佐野元春 & THE HOBO KING BAND」については、
「佐野元春 オフィシャルHP」(http://www.moto.co.jp/)まで。

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