尾上サトシ / Satoshi Onoue


1988年「KATZE」のギタリストとしてデビューし、現在ソロライブなど様々な活動を展開中の、尾上サトシさんの過去から現在までを辿ったインタビューです。
(「moment jam session#2」のリハ直後に、お話聞かせていただきました)

(2004年3月1日/世田谷momentにて/インタビュアー:TERA@moment)





尾上サトシ (Satoshi Onoue)



1968年 8月1日山口県下関市生まれ。
1988年 10月 KATZEのギタリストとしてデビュー
1991年 5月26日 KATZE解散
1993年 花田裕之のツアー、REC参加、ソロ活動開始 
1996年 EBIのツアー、REC参加
1997年 種ともこのツアー参加、奥居香のライブ参加
1998年 奥居香のツアー、REC参加
1999年 藤木直人ライブ、中村仁美ライブ、
1999年 hitomiツアー参加
2003年 ソロとしても定期的にライブ活動を行う。

中三の時に、学園祭バンドを組んで、当時オフコースが流行ってたんで、オフコースをやったんです。その年に、僕らがエレキ禁止を無理やり解かせてバンドでやったんです、初めて。そしたら、すごい盛り上がっちゃって体育館に2000人ぐらい集まって。

TERA(以下:T):では、よろしくお願いします。まず、生まれと場所を教えてください。

尾上(以下:O):山口県下関市です。

T:兄弟は?

O:兄弟は、男3人で兄貴と弟がいます。

T:仲良かったですか。

O:結構、年が離れてたんで、兄貴が4つ上で、弟は7つ下で。

T:男3人、真ん中。

O:そうですね。

T:じゃあ、一番自由?

O:自由というか、うまく立ち回るような、そういう感じ。

T:上と下と。小さい頃は、どういう遊びをしてたんですか。

O:小さい頃は、絵を書いたりとか、野山を駆け回ってっていうタイプではなかったですね。本読んだり、絵を書いたり、部屋の中で過ごすタイプでしたね。

T:テレビ世代ですよね。

O:そうですね。

T:小さい頃、よく見ていたテレビは?

O:えっと、何だろう?「空手バカ一代」とか「マジンガーZ」とかその辺ですね。「キューティーハニー」とか、ちょうどそのぐらいのタイミングですね。

T:音楽に触れたのは?

O:小さい頃は、両親が共働きだったんで、一人で留守番していることが多くて、
両親が持っているレコードみたいなものがあって、それを一人で聞いてたりとか。

T:主にどういうものだったんですか、家にあったのは?

O:父、母が若い時に買ったような、映画音楽のサントラ盤とか、ジャズとかボサノバとか、何となくそういう風な。

T:実際、楽器は、もっと後になるんですか?

O:そうですね。小学校6年生ぐらいですね。

T:その楽器は?

O:最初にギターを習い始めて。家に古いクラシックギターがあって、勝手にいじって遊んでたんですよ。そしたら、うちの母が、そんなに好きだったら教室に行ってみるみたいな感じで。よくわからずに、こういうクラシックギターだったと。

T:「禁じられた遊び」とか。

O:そうですね。習い始めの頃は、そんなギターに色々と種類があるとかわからないじゃないですか。疑いもせずにやっていたっていう。

T:しばらくはクラシックを。

O:そうですね。ギター習い始めたのと同時に、中学校に入って管弦楽部っていうのがあったんですよ。学校に。そこに、ドラムもやりたいなと思って、その管弦楽部でドラム叩いてたりとかして、それが最初ですね、音楽は。

T:中学に入ってそういう部活で。

O:部活で。

T:ほかには楽器、何かやったりしてないんですか。

O:他は、でもそのドラムとギターですね、主に。

T:バンドとかは、友達とかと組むというのは、まだ。

O:中学の頃に、先輩に誘われて「ちょっとおまえ叩け」とか、「弾け」みたいなのが少しずつあって、高校生ぐらいになってから本格的に自分でバンドとかをやるようになったんです。

T:中学では、まだバンドを組んだりとかじゃなくて。

O:学園祭のバンドとか、そういう感じですね。どっかのお祭に出るときのバンドとか。

T:中学の学園祭とかで、何か思い出ありますか。

O:中三の時に学園祭バンドを組んで、当時オフコースがはやってたんで、オフコースをやったんです。ずっとその学校はエレキ禁止っていう「時代遅れな」決まりがあって、その年に、僕らがエレキ禁止を無理やり解かせてバンドでやったんです、初めて。そしたら、すごい盛り上がっちゃって体育館に2000人ぐらい集まって、それが思い出に残ってます。

T:ロック禁止といえども、もう世の中はロックで。

O:そうですよね。

T:80年代ですもんね。

O:田舎の学校だったんで。

T:高校に入ってからは?

O:高校入って、まず自分がギターボーカルで3ピースのバンドを組みまして、それでハードロックのコピーとかをやってたんですよ。

T:バンド名とか覚えてます?

O:バンド名、うわっ、恥ずかしいな。(笑)『セクシャル・イマジネーション』っていうんですよ。

T:そのバンドはどれぐらい続いたんですか?

O:それは、2年ぐらいですね。

T:高1、高2と。

O:そうですね。その後、また違うバンドを組んで次は『ハートボイス』っていうバンドなんですけど、そこは今度はボーカルが別にいて。ギターで。

T:その頃は、すでに「ギターで」っていう感じで?

O:そうですね。その頃からギター弾きになってきてっていう感じですね。

T:高3になると、どういう感じになるんですか。

O:僕は高校ダブってて、高校2年生を2回やってるんですけど、2回目の2年生ぐらいから、『KATZE』というバンドになったのかな。

T:じゃあ『KATZE』は、高校の同級生で?

O:全然違うんですけど。

T:どういう集まりなんですか?

O:地元でアマチュアバンドがリハしてるスタジオがあって、そこでサークルなものがあったんですね。それでいつも同じところで活動しているそのバンドが、それぞれ解散して、どこそこのだれだれと、だれだれとみたいな感じで、まあ、よくある話で集まって。

T:自然な感じですか。

O:その時、リーダーだった人が声をかけてっていう感じで。

T:バンド名は、どこから来てるんですか。

O:『KATZE』って、ドイツ語で『猫』っていう意味なんですけど。リーダーが考えてきて、「これでいこうや!」みたいな。

T:その頃は、長続きしそうなバンドだったんですか?

O:いや、全くその逆ですね。一緒にやっていけるのみたいな、最初から、そういう感じで。 別に仲悪かったとか、そういう事ではないんですけど。

T:活動のベースはライブですか?

O:最初は、地元にライブハウスっていうのはなかったんで、自分達でホールを借りたりとか、そういう感じでやってて、すぐ上京する話が決まって。あまりアマチュア活動はやってないんですよ。

T:そのキッカケは何だったんですか?

O:地元でライブをやっている時に、音響とかPAの会社でいつもお世話になっている人がいて、その方がこういうバンドがいるからって、東京の方の事務所の知り合いの人に声をかけてくれて、その人が地元まで見に来てくれて、「じゃあ」って。

T:それが何年になるんですか。

O:それは1987年ですかね。

T:オリジナル曲って、かなり貯まっていたんですか?

O:その時はそうでもなかったですね。1枚出来るかどうかっていうぐらいしかなかったと思いますね。

T:すぐメンバー全員オーケーして。

O:いろいろすったもんだがありまして、『KATZE』って、4人でデビューしてるんですけど、ほんとうはアマチュア時代にはもう1人メンバーがいたんですけど、その彼が外れて、そんな感じで。

T:じゃあ、4人で上京して。

O:そうですね。

T:初めての東京での暮らしは、どんな感じだったんですか?

O:最初、上京だと思ったら、いきなり東京を通り過ぎて千葉の木更津っていうところに行ってしまって、東京で生活が出来るんだと思っていたら、木更津でいわゆる一軒家を借りてもらって、そこでメンバー4人で合宿生活を。きつかったですね。(笑)。

T:まず、何を?木更津で。

O:まず、曲づくりとリハーサルと、あいた時間でアルバイトしてって、そういう感じで。

T:そこからデビューまでって、どのぐらい?

O:そこからちょうど1年ぐらいですね。上京して、共同生活始めてから1年ぐらいです。

T:最初、アルバムですか。

O:最初、アルバムです。

T:それは、もう高校時代からやっていた楽曲たち?

O:やってる曲ですね。

T:アルバムが出来上がって、何か初めの印象というか、感想は?

O:最初の印象ですか?嬉しかったですね。世代的にアナログ盤が最後のぎりぎり最後ぐらいだったんで、レコード盤になったっていうのがすごい嬉しかったですね。

T:そろそろCDに、完全に切りかわるっていう。

O:そうですね。だから、1stアルバムだけだったかな?ぎりぎりアナログ盤になったみたいな感じで。

T:周りの反響はどうでした?

O:周りの反響はですね、どうだったかな?その当時、すごくBOOWYが一番ブレイクしているころで、よくBOOWYの二番煎じ的なことをよく言われたりとかして、それは覚えてますね。

T:ライブは、アルバムと同時に。

O:アルバムと同時に、そうですね。ライブハウスツアーとか。

T:セカンドアルバムは?

O:2枚目は、ファーストって、それまでの蓄積があるから、割とセレクションして作るじゃないですか。セカンドになると、持ち駒が少なくなってきたところで書かなきゃならない。 だから、もともと『KATZE』以前にやってたバンドの曲を持ち出してきたりとか、ルーツ再確認みたいな、そういう感じで作りましたね。

T:詩、曲というのは、各々みんなが?

O:大体ボーカルが中心だったんですけど、ボーカルとリーダー。ベースのリーダーがね。

T:セカンドの印象というか、感想は。出来はどうでしたか?

O:ファーストは、やっぱり始めてなんで、勝手がわからなくて。セカンドで、ちょっと「こうすればいいかな」みたいなのが、わかりかけてきた感じでしたね。

T:レコーディングはスムーズに。

O:そうですね。ファーストに比べると。

T:プロモーションビデオも?

O:ありますね。デビューの頃は、大船の松竹の撮影所で撮影したりとか。あと、いつだったかな、もうちょっと後になるんですけど、スペインとかにロケに行ったりとか。テレビで特番みたいなものを2、3回作ってもらったりはしてるんですけどね。

T:バンドブームって言われてる時期に重なってる?

O:そうですね。重なってますね。

T:セカンド出た後って、80年代後半ですよね。

O:そうですね、89年とかですね。バンドブームだったこともあってか、お客さんも増えていって、ライブハウスだったのがホールでできるようになったりとか、そういう感じでしたね。

T:それは、もう全国で。1回のツアーで何ケ所くらい?

O:やってましたね。20本ぐらいやってたときもありますね。たしかそうですね。

T:曲は、自然と出来るのですか、それともアルバムの発売に合わせて?

O:ペースが早かったんですよ。普通、1年に1枚とかじゃないですか。半年に1枚ぐらいのペースでやってて、毎回ぎりぎりっていうか、レコーディングは修羅場でしたね。

T:すごいハードスケジュールですよね。

O:ハードスケジュールですね。だから、レコーディングが終わって、メンバーが家に帰って、夜、曲をつくって次の日にそれをレコーディングするみたいな。

T:それが何枚ぐらい?

O:それが、アルバム4枚つくったんですよ。4枚ですね。

T:じゃあ、2年間っていうか、2、3年で?

O:3年で、4枚ですね。

T:4枚目で最後ですか?

O:4枚目で最後ですね。

T:そのキッカケみたいなのはあったんですか?


O:メンバーの1人が辞めるって言い出して、そうですね。

T:周囲の反応って、やっぱりファンが反対したりとかあったんですか。

O:だから、びっくりみたいな。やっとこれからかなというときに解散しちゃったんで、何でみたいな、すごい言われたんですけど。

T:最後はベスト盤が出たりとかっていう?

O:ベスト盤、すごい出てますね。オリジナルアルバムは4枚しか出てないのに、ベスト盤が、6枚も7枚も出てるっていう、わけのわからない事になってるんですけど。

T:それ凄いですね。それで、解散したのが?

O:91年ですね。

T:それ以降は、どういう活動を?

O:解散して、ぶらぶらしてたんですけど知り合いの方から花田裕之さんのツアーの紹介をしてもらって、富雄さんとかと一緒にやらせてもらってですね。花田さん2年くらいやったかな。その後、自分のソロ活動を始めまして、その後にサポートの仕事もするようになってっていう感じで。

T:ソロっていうのは?

O:アルバムつくってないし、ライブだけだったんですけど、僕入れてメンバー4人で。ライブハウスとか、全国を回ってたりしたんですけど。

T:新曲を?

O:そうですね。その時は新曲で歌ってっていう感じで。

T:結構、持ち歌はたまっていたんですか。

O:結構ありましたね。

T:でも、形にしなかったのは?

O:周りの状況とかが上手くいかなくて、形に残せなかったんですけど、1回煮詰まってきて、一たん自分の活動を休止しようかっていって、いろいろいって、サポートとかをするようになって。去年ぐらいから、また再開したんですよ。

T:最近、定期的にソロライブをやられてるっていう話を、伺ったんですけど。

O:去年からなんですけど、自分の活動を再開して、弾き語りで毎月歌ってるんですけど。

T:場所は?

O:駒大駅の『Gasoline Alley』っていうライブハウスで月1で、今やってます。 カバーも何曲かやるんですけど、オリジナルがほとんどで。

T:ロックですか?

O:どうですかね。そうですね、どうなんだろう?結構バリエーションありますね。ブルースっぽいのもあるし、ポップなのもあるし、スタンダードぽいのもあるし。

T:何か音楽以外の興味があることとか、活動みたいなのって。

O:バンド解散したりして煮詰まってて、はけ口が欲しくて一時期ボクシングとかやってましたね。

T:なぜボクシングを?

O:何か、たまってたんでしょうね。(笑)。エネルギーのはけ口として。

T:具体的には、どういうことから入ったんですか?

O:新宿にある有名な某ジムに行って、練習生として通って、汗を流してましたね。

T:もともとボクシングは好きだったんですか?

O:世代的にそうなんですけど、ブルース・リーが好きで、そこに飾ってありますけど、それで、ボクシングとかも好きで、大山ますたつも好きですね。そっち系、好きですね。

T:異種格闘技。

O:ですね。音楽をやってる人間だから、そんなのに興味を持っちゃいけないってずっと思ってて、なまじそっちのほうに行っちゃいけいなと。バンド解散して、やることがなくなってた時期とか、バンドとかやってたら出来ないじゃないですか。

T:今一番やりたい音楽は? 表現したい手段としては?

O:やりたいなと思ってるのは、今、弾き語りでやってるんですけど、将来的には、スリーピースのバンドや、メインボーカルがいるバンドでギターに専念してやるとか、そういう感じでやれたらいいなと思ってるんですけど。

T:ソロ曲がたまってくると、形にしたいとは?

O:そうですね。今年は形に残せるといいなと思ってるんですけど。

T:今はインディーズといえども馬鹿に出来ない。メジャーも何もしないし、出来ない時代なので。

O:そこにインディーズの初めかと、僕も思ってるんですね。

T:何か形にできたら、ぜひ聴きたいと思います。その時、何か一緒に。

O:是非、相談させてください。

T:あと、これから何かやってみたい事はあるんですか?

O:しばらく自分の活動を本格的にやっていきたいし、色んなセッションの仕事とかもやっていきたい。

T:4月5日に『cajun moon night Vol.4』ですよね。


O:Vol.4ですね。もう4ですね。やっぱり楽しいですよ。井上さんたちとやるのは。

T:トミーさんとは長いんですね。

O:花田さんの時からですので、もう長い、10年。途中、ちょっとブランクがあったんですけど、また誘っていただいて。

T:なかなか『ケイジャンムーンバンド』いいですよね。凄い。新曲をどんどん聴きたくなる。

O:そうそうたるメンツで。

T:ずーと、長く続けてほしいなと思います。

O:そうですね。

T:とりあえず、また。momentにも遊びに来てくれたら。

O:是非、うちも近いですしね。

T:今日は、どうもありがとうございました。

-end-


尾上さんのインフォメーションは、オフィシャルHPまで。
http://www.ono-chang.jp/i/



KATZE
1stアルバム「BLIND」
      (1988.10.21/32CH-359)

2ndアルバム「STAY FREE」
      (1989.06.01/30CH-400)

3rdアルバム「Good Times Bad Time」
      (1990.03.21/TECN-28010)

4thアルバム「LOVE IS HERE」
      (1990.11.21/TECN-30069)

ベストアルバム「KATZE」
      (1991.05.16/TECN-30087)

ライブアルバム「GOD SAVE THE
              ROCK'N ROLL」
     (1991.08.01/TECN-30100)

ベストアルバム「KATZE TWIN VERY
           BEST COLLECTION」
      (2002.12.18/TECN-35865)













































































DISCOGRAPHY


「主な参加作品」



「First Stroke」
東龍太郎
2003.10.29/UMCK-1169



「あいのうた 」
高田志麻
2002.09.04/TOCT-24843


「Dummy」
SHUUBI
2001.11.21/UUCH-1027


「あじさい」
すず
2000.10.12/TKCA-72001



「Shammon 」
Shammon
2000.08.23/TKCA-71993


「大入り袋〜ミュージック
てれびくんパワード〜」

天才てれびくんワイド
2000.06.01/COCX-30879




「だいすきなうた 」
國府田マリ子
1998.07.24/KICS-7612


「香」
奥居香
1998.07.01/SRCL-4321

 

 

 

 

















































































Message Movie

「みなさんへメッセージ」

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